晴走雨読 横鎌日記

無理しないランニング(最近ちょっと無理している)と気ままな読書について綴ります。横浜と鎌倉が中心。映画やお出かけもあり

「翻訳地獄へようこそ」

 翻訳家になりたいという強い希望はないが、一度くらい翻訳書を出したいという気持ちはあるかと聞かれたら「ある」と答えると思う。翻訳物も結構読むし、翻訳という仕事が決して簡単ではないということは、仕事で翻訳めいたことをすることがあるので少しはわかっているつもりだ。宮脇孝雄「翻訳地獄へようこそ」を読んで、翻訳者(または翻訳家)を名乗るのは「遠いな」と実感させられた。「翻訳」というよりは英文の「読み」に重きを置いて読んだつもりだが、そのように解釈するのかと気づかされた部分が多い。いままで自分がやってきた仕事が疑わしくなった。誤訳で会社や世間に迷惑をかけていないだろうか。

翻訳地獄へようこそ

翻訳地獄へようこそ

 

  宮脇氏は博学の翻訳家。この本はアルクの雑誌の連載がまとめられ、加筆修正された本だそうである。知る人ぞ知る人だそうだ。僕は知らなかった。印象的なタイトルと、帯の「海外文学ファン必読」につられて購入。紹介された本などもいくつか購入してしまった。

 英文の読み込み方などは行方昭夫氏の本でも十分に参考にさせられるのだが、行方氏のが文学的なアプローチだとすると、こちらはちょっと俗世間的というか、身近な気がする。そして、コラムごとに本や辞書が紹介されているので、ブックガイドとしても読んだ。いくつかはすでに買ってしまった。言葉に関する原書は自分にとってもハードルが高いのだが、ここは背伸びというか、鞭を入れるところと自覚して無理をして購入したところもある。アマゾンですでに買っている人がいるのか、「翻訳地獄」を検索すると紹介された本がいくつも出てくる。

 カンマで意味が変わる文章はこれまでもめぐりあってきているが(「ゴルゴ13」のネタでもあった)、ハイフンで意味が強調されることがあるなんて、目から鱗だった。会社の英文の取り決めで、ハイフンでつなぐ単語と、ハイフンを外してひとつの単語として処理する単語が分けられているが、内容によっては再考すべき点もあるということか。

 この本によって購入した本がすでに3冊。1冊読んで3冊買ったら、永久に本は減らないな。本を紹介している書籍に手が伸びるのは悪い癖である。買った以上はしっかり読むことだが…。