晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

「英語の路地裏」

  書店で見かけて、気になるタイトルだと思った。「英語の路地裏」。副題には、「オアシスからクイーン、シェイクスピアまで歩く」とある。「オアシス」も「クイーン」もイギリスのバンドの事である。「オアシス」は社会人になってからだが、「クイーン」は子どもの頃からお世話になったバンド。彼らについての項目は一つしかないが、他にも映画やドラマ、文学、演劇などをとっかかりに英文法や文化背景を説明してくれる。著者曰く、英語学習としては「王道」ではない裏道や脇道を扱っている。そんな意味がタイトルにあるらしい。

 映画「クレイジー・リッチ!」に出てくる、既存表現の言い換えみたいなところはついていけるのだが、英語で言い間違いなんてされちゃうと、これがわからない。間違っているのに、どこかに「正答」があるはずだと延々と考えることになりそうだ。ましてや、「言い間違え方」に面白みがあると気づくレベルになるのはいつの日か。そんな日をみないまま、死ぬ事になりそうだ。

 こういうところが分かると、映画やドラマを見て、少しにやってできたり、人より先に笑えるのだろうか。とはいえ、こういう話は好きなんだなあ。クイーンのブライアン・メイの歌詞に彼のインテリジェンスを発見したり、カギ括弧つきでのしぐさの「エアクォート」を言葉で説明してくれたり、と人に話したくなるような、英語の話が満載なのだ。

 シェイクスピアについても、専門家だけあって、いままでとは違う視点で教えてもらった。目から鱗だったのが、基本的に、弱い音節+強い音節の組み合わせが5回出てきて1行になっているということ。俳句や短歌に近いのか。逆にそのリズムを乱すことによって、心の乱れを表しているとも考えられるそうである。

 映画や舞台も相当に見ているらしい。今回は英語という入り口だったが、ちょっとこの人の本は読んでみないといけないなあと思わされた。「批評の教室」は積読のままだったなあ。学習目的もあったが、単純に読み物として面白かった。