晴走雨読 横鎌日記

無理しないランニング(最近ちょっと無理している)と気ままな読書について綴ります。横浜と鎌倉が中心。映画やお出かけもあり

「走る奴なんて馬鹿だと思ってた」

 購読中のブログで知った本。自分もマラソンに向かうまではこの題に近い気持ちを持っていた。サッカーをやってボールを追っていただけに、「ただ走っていて何が楽しいのか」って思っていたし、40代の前半まではそのように公言していた(いまとなっては、言われる立場になってしまったが)。この本は、作家・ライターの松久淳さんが医者に「太陽を浴びて運動してください」と言われたのをきっかけに走り始め、距離を伸ばし、フルマラソンを走るに至るプロセスを書いたものだ。著者も書いているが、技術的に、もしくはランナーにとって蘊蓄となるようなことは書いていない。しかし、心理面に及ぼす効果は多少ある(と思っている)。

走る奴なんて馬鹿だと思ってた

走る奴なんて馬鹿だと思ってた

  • 作者:松久 淳
  • 出版社/メーカー: 山と渓谷社
  • 発売日: 2019/06/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

  ありがちと言ってはなんだが、走ることにハマっていく話というのは、周囲からも聞いたことがあるし、自分もそのような過程を踏んでいる(と思っている)。ただ、この著者は結構速いのである。というか、エリートランナーレベルではないが、自分がこのくらいで走りたいと思っている水準なのだ。フリーランスという立場上、勤め人の自分より時間を上手に使え得るのは理解できるが、こんなにトントンと走る距離が長くなっていくものかと思った。しかも結構な酒量と見た。フルマラソンの前日にまで飲むのはどうかと思うが、それでも走れるのだから立派なものである。個人的には10キロまでは、前日に飲み会OK、ハーフは喉を潤す程度、フルは数日前から禁酒である。

 読んでいると「Tarzan」の連載は、筆者が書き始めてから、後追いのような形で決まったそうだ。やはり物書き。書いていると日の目を見ることもあるのか。立派である。自分のためだけに元々軽妙な調子で書いていたのか、それとも掲載が決まって、書き直しているのかはわからないが。

 ちなみに筆者とは、フルデビューが同じ2016年の横浜マラソン。筆者が20分くらい早くゴールしている。自分にとってはいまだにそのマラソンの記録が自己ベストなのに。年齢や体重の違いなのか…。読んでいる限り、運動に関する潜在能力は自分の方が上だと感じるのだが。確かに筆者ほどケガはしていない。いやいや、ケガするほどまで自分を追い込んでいないということなのか。本を読んでいる限り、筆者にも「追い込む」というシリアス感は微塵にも感じられないのだが。

 共感するのは知らない土地や新しいルートを求めて走っているところか。最近、LSDを心掛けるようになって、信号が多いところも気にならなくなってきたので、今日は行ったことがない銭湯や、下車したことがない駅の付近まで行ってみようとか、ずいぶんと冒険心めいたものがついてきた。長く走れるという自信が少しはついてきたということか。しかし著者のように、30キロやレース前にフルの距離を踏むようなレベルにはまだ至っていない。ここ数カ月中にそのような脚を作っていくつもりである。

 適当なようでいて、しっかり数字を出している著者に対してリスペクトを抱きながらも、ちょっとした目標にしたいと思った。技術面などでまるで参考にならない本だが、モチベーションはアップさせられた。いつか横浜マラソンでご一緒できれば。