まったくノーマークの本だった。駅併設の書店で見かけて、立ち読み。即購入。ジブリファンや曲を聴いたことがある方にはおなじみなのかもしれないが、自分はまったく知らなかった。「千と千尋の神隠し」は見ていないが(断片的には見ている)「崖の上のポニョ」は娘と見ているはず。「いつも何度でも」「海のおかあさん」の作詞家だそうである。道理で、棚が限られた駅の書店でも置いているんだ。ハルキ文庫が小さな書店に置いているなんて、おかしいと思った。
遅まきながら、その詩に感動させてもらった。ついでにいうなら、パートナーが入船亭扇辰。落語家の奥様が誰かは気にかけないが、そうだったのか。
言葉の使い方に遊び心があり、言葉の選択のスケールがでかい。公園だと思っていたら、宇宙に連れて行かれた感覚がある。かつ、シュールな部分もあったりして、縦横無尽。なかなかの器と見た。
詩の提供先も多い。沢田研二、小泉今日子、平原綾香など多数。合唱曲や校歌なども。こんなに広く活動しているのか。知らなかったことが恥ずかしいやら、まだまだ勘の鋭さはあるなと慢心したくなるやら。
このたたかいがなかったら
子どもは物売りに出かけずにすんだ
毎日欠かさず学校へ通えた
けれどこのたたかいがなかったら
家族を残してやってきた異国の兵士と
友だちになることはできなかった(以下略「このたたかいがなかったら」)
おっ、そちらに話が行くの?感じ。
かみさま とよびかけて
はーい とへんじされたら
なんだか こまる
かみさま とよんだあと
しばらくの しずけさに
かみさまは いる(「かみさま」)
なんか素敵だ。もうちょっとこの人の本を読みたい。