晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

「アメリカの原点、ボストンをゆく」

 随分と古い本を取り寄せて購入。本の値段よりも送料が高くついた(それでも安い)。あまり米国には興味がないのだが、なんかボストンという都市は好きになれそうな気がして読んでみた。刊行されたのが2007年11月となっている。著者の井上篤夫さんは作家。さきほど引退した松坂大輔投手がボストン・レッドソックスへの移籍したタイミングで、日本の人にボストンという都市と、そこに住む人たちの気質を紹介したかったのだろうと思う。取材自体は移籍が決まったあたりから始めたのだろうか。ワールドシリーズ優勝の情報は間に合っていない。

 ボストンは、17世紀の清教徒の入植地から米国独立のきっかけとなった事件が起きるなど、「米国よりも歴史が古い場所」でもある。季節の移り変わりが感じられる場所で、「四季がある」ともよく書いてある。寒い、天気が悪いという印象があるが、この本でインタビューされている人によると、日照時間は比較的長い方だとのこと。しかしながら、カリフォルニアほどではないらしい。

 マサチューセッツ工科大やハーバード大など一流と呼ばれる大学があり、人口における学生や研究者の割合が非常に高い。一般的に、人々は寡黙でなかなか打ち解けないタイプの人が多く、京都と比べる人がいた。実際、姉妹都市として提携しているらしい。

 21人のボストニアンが登場しているが、当時はイラク戦争への反対が強く、そもそも進歩的な地盤なので、民主党に投票するという姿勢を見せる人が多くいた。このときは、ゴア、オバマヒラリー・クリントンの3氏が大統領候補だったが、どうもヒラリーの嫌われ方が想像以上で、よくぞオバマ後にヒラリーで一本化できたものだといまさらながら思う。のちにトランプが登場して、SNSが駆使される選挙戦になることを考えると、それぞれがのどかに意見を述べている気がする。

 横浜は本牧出身の女性は、ボストンを「日本を思い起こさせてくれる場所」として好きだと言っていた。高校生だったころの本牧はビルがなくて開放的だったという。年齢が書いていなのでいつ頃の話なのかわからないが、自分が住み始めた約40年前は米軍住宅の跡地など空き地が多かった。今はマンションだらけになったが、みなとみらいほど高い建物はない。

 ボストンにも訛りがあって、著者曰く、サッカー選手だったベッカムの発音はボストン訛りに近いそうだ。そうなのか。現地に行ったら苦労しそうだ。