晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

本屋「南十字」

 遅ればせながら、5月のブックマーケットで話を聞いた書店に行ってみた。小田原の「南十字」。5日間JRに乗れる「青春18キップ」を有効期限内に使ってしまおうと思ったのが体を動かしたメインの理由だが、以前から一度小田原でゆっくりと時間を過ごしたいと思っていた。

 小田原で降りた事はあるが、箱根に行くため、在来線から新幹線に乗り換えるため、が主な目的。昔、フットサルの試合を見に行った事があったか。その時も会場と駅との往復に終わったので、街並みを楽しんだ記憶はない。エントリーした小田原開催のハーフマラソンは、コロナで中止になってしまった。

本屋「南十字」。小田原駅から充分歩ける距離にある。近くはないけど

 今回は、書店に寄るついでに小田原を歩いてみようと思った。幸い、本屋「南十字」は小田原城の正面入口からそんなに遠くない。小田原城自体は駅から近い(北口)。駅からこんなに近い城や城址ってそんなにないのでは。

 「南十字」は小田原城と三の丸小学校を過ぎて、大きな道に出て、やや早川方面に進んだところにあった。物見遊山で歩いたのでやや時間がかかったが、大人の脚で10分前後で到着できるのではないか。

 店舗自体は、狭いと言ってしまってもいいだろう。ブックマーケットで話を聞いた限りでは、「南十字」の人はあまり本好きだと感じなかった。間違っていたら失礼だが、病的に本が好きというよりは、人が集う場所を作りたい、そのための手段としての書店という風に感じたが、なかなかどうして、棚を見ると実に尖っているのだ。

 店舗が狭いので棚だって多くはない。詩、哲学、フェミニズム、幼児向け、文学などが少しずつ置いてある。なんというか、懐石料理風というべきか(書いてて、違うかもと思えてきた)。でも、主張が感じられるいい棚と思った。量は少ないけど、このくらい読んでおけばちょうどいいかもと思ってしまうのは、棚が持つ説得力なのだろうか。

 確か、3人でやっていると言っていたはず。それぞれ役割があるような話をしていた気がするが、もう忘れてしまった。書店だけではやっていけないので、リモートで仕事していると言っていた。そんな感じで、店主の人は奥で仕事をしているように見えた。おそらくジュンク堂あたりには置いていない本を購入。いや、置いているかもしれないが、大規模書店では見つけられないような本を購入。いずれ、この欄で紹介したい。

「報徳広場」にある市電が、「南十字」の目印にもなる

 「南十字」の後には、小田原文学館(白秋童謡館・尾崎一雄邸も。中には入らず)、さかなセンター、小田原城と巡り、現地の居酒屋で締めた。神奈川は横浜と湘南だけじゃないと実感できた一日だった。また行くぞ、小田原も「南十字」も。