晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

ブックマーケット「本は港」

 日曜日に神奈川の書店と出版社を集めたブックマーケットに行ってきた。題して「本は港」。小規模というか個性的な書店と出版社を集めていて、トークイベントもあった。

 そんなに混まないだろうと思っていてのんびりしていたら、入場制限しているというツイートが流れ、申し込んでいたトークイベントのスタート時間を30分間違っていた事に気がついて急いで家を出た。10分前着席は守れなかったが、なんとか時間前に到着。会場のLocal Book Store kita.の前には、道路を挟んで、ちょっとした人気のラーメン店くらいの列ができていた。20人くらいはいたような。列の人数を数える余裕もなく、席に座らせてもらった。

「本は港」の出店ブース(本屋・生活綴方)

 会場は狭いけど、これだけ人が集まるとは捨てたものじゃない。参加したのは、トークイベント後半の登壇者(ステージはなかったけど)は、真鶴・道草書店と小田原・南十字の経営者の方々。今時はモデレーターというのだろうか、司会は、妙蓮寺・三輪舎(出版社)の中岡さん。屋号には「自転車操業でも(三輪だから)倒れない」という意味合いもあるとか。面白い。書店と兼業する形でやっていて(どちらが主なのかは別として)、自分で作った本を書店で売るという、直売の農家みたいなスタイルだそうだ。約10年続いているとは立派なもの。

 道草書店は店主のご夫妻で、南十字の経営は3人だったと記憶するが、そのうちのお一人が話してくれた。どちらも開業して1年前後だったか。共通するのは東京から移住してきた人ってところか。詳しい地名は聞いていないが、中央線文化圏の匂いがする人たちだ。

 当然ながら、書店経営がうまくいっているなんて話にはならない。南十字の方は「兼業書店」と言っていた。店番しながらできる、別のお仕事があるらしい。道草書店のご夫妻もカフェを併設しているそうだ。子ども図書館をやり、かつ朗読会も開いているという。地元貢献度が高いとみた。徐々に商売になってきているという。真鶴は書店がなかったところだったそうで、自分の住む地域と似ている。

 司会の三輪舎の方は出版業は原価率が5%くらいと話していたが、本の利益は価格の2割。飲食などと比べてもはるかに効率が悪い。三輪舎の方は、「本は中身を知らないまま購入する不思議な商品」と話していた。確かに、食品のように何か分かって買うのとは違う。映画やスポーツの興行のようなものかもしれないし、それでも手元に残るのだから、何か特別なものなのだろう。

 1時間半のトークイベントはあっという間。さあ、本を買うぞと鎌倉・港の人のブースに向かったが、あいにくカードが使えない。いやいや、買いすぎるかもしれないので気遣ってくれたのかもしれない。手持ちがあまりなかったので一冊だけ買って帰宅した。出店した書店のツイートによると、持ってきた本は7割くらい売れているらしいから、総じてなかなか好評だったのではないだろうか。真鶴、小田原、妙蓮寺と神奈川の書店巡りもいいなと思った。