晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

立川流落語会@国立演芸場 立川流真打昇進披露公演

 久々に落語を聞きに行った。5月に国立演芸場で開催される恒例の立川流落語会。今回は、こはる改メ立川小春志(こしゅんじ)さんの真打昇進披露口上もある。落語協会あたりの真打昇進披露口上を見たことはあるが、たぶん立川流は初めて。

 今回、立川流では初の女性の真打ちとなるのは、談春師匠の一番弟子のこはる改メ小春志さん。特に彼女を〝推し〟ているわけではないのでないのだが、最後に見た高座に二つ目時代の彼女がいた。何年前だろう。コロナ前だよね。久しぶりに生で落語も聞きたいし、何かの縁だと思って足を運んだ。

国立演芸場前には、小春志師匠の幟が

 立川流創設からも40周年だという。そもそも家元となった立川談志さんが落語協会を飛び出したのも真打昇進の基準めいたものが原因でなかったか。そうなると、ますます真打披露口上を含んだ立川流の落語会は意味がある気がしてきたのもある。

 さて、開演時間前に登場したのは前座の縄四楼さん。彼は6月で二つ目になって、名前も琉四楼になるとか。沖縄出身なので、縄とか琉とかついているそうだ。談志さんが生きていたら、立川シーサーとか名付けたのでは。前座がつたないのはしょうがない。今後に期待である。噺は「道灌」。

 寸志「庭蟹」(にわか)、左平次「青菜」、談之助「三国誌」(表記は張り出しに従う)と続き、師匠の談春さんの登場。真打昇進披露なので、それぞれまくらで小春志さんのことを語るのだが、やはり師匠だけに厳しくもあり、温かみもあり。噺自体は、まくらから噺への入り方に無理がないというか、すごく自然。引きつけられているのだろうか。上手かった。上手いのは知っていたが、それ以上に上手かった。考えてみれば、東農大(現・東農工大)大学生時代か院生だった小春志さんが落語家になることにしたのも、談春さんの高座を見たのがきっかけだったはず。改めてすごさを感じた。演目は「野ざらし」。

 口上では、小春志さんが男性を演じるのが上手いが、女性は下手という話になった。談春さん曰く、その時代の女性像というのが小春志さんには落ちてこないのだろうという話。自分なりの女性像を演じてくれればと言っていた(と思う)。確かに、ボーイッシュな姿格好で判断するのもなんだが、女性は苦手そうである。口上の終わりには、来場者とともに三本締め。これは気持ちいい。これをやりに披露口上を聞きに来た気すらする。

 龍志「義眼」、談四楼「粗忽長屋」と続き、色物の遠峰あこさんがアコーディオンでおめでたいムードを最高潮に。小春志師匠は「茶の湯」を落ち着いて演じていた。貫禄がついたように感じるから不思議なものだ。

 随分と噺を忘れていると実感。出だしでこれは新作かと迷った噺もあった。テレビで決まったものしか聞いていないからだろう。反省。