晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

「かなっく寄席 立川小春志」

 近くで立川小春志さんの高座があるのを知ったのが、当日の二日前だった。ホールに電話するとまだ席はある。横浜市神奈川区の後援なので、木戸銭も2500円と抑え気味。残念なのは、区民じゃないのでそこから500円引きにならなかったことか。小春志さんの真打ちのお披露目は見たが、真打ち後の高座は初めてなので、足を運んだ。いい席が残っていた。

カナック寄席当日の演目

 開口一番は、立川生(しょう)ぼうさん。立川生志一門で、横浜黄金町に住んでいるという。近いので、お呼びがかかったか。なんか器用そうな若い人で、今後が楽しみである。もし、偶然に出会ったら一杯おごってあげたい(飲むかどうか知らないが)。「黄金町」というのが妙に頭に残り、柳美里「ゴールドラッシュ」に手を付けてしまった。噺は定番の「寿限無」だが、すこしアレンジを加えたポップな出来。

 小春志さんの「松竹梅」は後に回すとして、この高座の翌日に二つ目昇進披露を控える笑えもんさんは、緊張のせいか(本人も緊張していると言っていたが)、ややぐだぐだだった。この人は、談笑さんの弟子。ドラえもんをもじった名がついているので体つきは想像できるかもしれない。着物の色もあのドラえもんブルーだ。力士から転身した三遊亭歌武蔵さんを思い起こさせる。実際、子どもの時は相撲をやっていたとか。噺は「阿武松」。大飯喰らいの相撲取りの噺だが、自分のキャラクターを意識した選択と思われる。普段はもっと出来がいいはず。どこかでまた見られると思う。

 さて、真打ちの小春志さん。「松竹梅」と「青菜」を演じた。この人は(男性の)若い衆を演じるのが上手。もともと東京出身のせいか、どこか江戸っ子の威勢の良さを素で持っている気がする。「松竹梅」は松五郎、竹蔵、梅吉の3人が名前がめでたいので、出入り先の婚礼の場に呼ばれるって噺だ。ただ、飲み食いするだけじゃ失礼と言うことで口上でも一席という運びになるのだが、これが上手く行かないのが落語だ。

 最後に「青菜」。植木屋が仕事の合間に隠居さんから一休みするように言われ、そこでもてなされたことに感心し、帰って自分の長屋で再現させようという噺。当然、こちらもずっこける(久しぶりに使ったこの言葉)のである。この手は、得意なのではないか。真打ちになって初めて見たが、どこか余裕もあり、周りもしっかり見えている感じがした。近く、桜木町のにぎわい座にも登場するので時間があえば、見に行きたい。

 たまたまだが、この寄席の翌日だったが、早朝に柳亭市馬さんの「三十石」をテレビで見て、落語好きが再燃したのか、三遊亭志ん朝文七元結」をCDで聞いた。もちろん、比べる気はまったくないけど、名人レベルの人たちはまた違うなと実感した。落語は深いな。