晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心にお出かけもあり。銭湯通いにはまっています

「理系的 英語習得術」

 そもそも自信はそんなになかったが、自分で思ってたほど英語ができないのは先のTOEICで思い知った。多少癖があるとはいえ、一応は世間の指標となっている試験である。気を取り直して、勉強勉強。という事で、手に取ったわけじゃないのだが、勉強法としては参考になったので記しておく。

 著者は、地球科学の専門家である鎌田浩毅さん。火山とか南海トラフとか、高校レベルでいうなら地学の先生である。あまり知らなかったのだが、英語の本とか学習法の本とかをやたらと出している。タイトルの「理系的」という部分が自分に欠けている部分でもあり、いざ読んでみたら、これが結構面白い。

 この英文をこう読めとか、この問題をこのように解けという本ではないが、学習法については具体的である。鎌田さん自身の経験が反映されていると思われる。「理系的」とは合理的で、システマティックな学習法ということだ。

 触れているのは、多岐にわたる。単語の覚え方とか、シャドーイングとか、なるほどと思える部分が多い。あまり聞いたことがなかったのが、「音読筆写」。読んで字のごとしで、英文を音読して、その部分を記憶してノートに書き写すというもの。これは英文の構造を身につけるのにいいらしい。だから、スペルにはさほどこだわらなくてもいいとのことだ。

 本を読み進めると、鎌田さんは駿台予備校の伊藤和夫さんを「信奉」していることがわかる。年齢差はあるが、どうやら同世代らしい。授業こそ受けたことはないが、大学受験の英語と言えば、伊藤和夫さんの参考書を使っていた。いまでも「700選」などは持っているので、学び直しでやってみようかと思っている。

 個人的に苦手なのがリスニング。「ヒアリング」として学んでいた世代だが、あまりやってこなかった。現在は音声教材は豊富。ランニング時に英語のポッドキャストを聞こうと決めているのだが、いつも忘れて週に1回しかやっていない。当たり前だが、頭の中で逐次「和訳」しているようだと、流れてくる英語には追いつけない。勧めるのはやはりシャドーイングかと思いつつ、最初は30秒か1分くらいの英語でいいという。いやいや30秒もあれば、結構な分量である。きついだろうな。TOEICを受けて思ったのは、短期記憶の収納先が異常に小さくなってきていること。広げるトレーニングを意識した方が良いかもしれない。

 鎌田先生は、国井信一・橋本敬子著「究極の英語学習法K/Hシステム 基本編」がいいと書いてある。脱線するが、鎌田先生は相当数の英語学習書を読んでいて、勧める本は参考になる。シャドーイングは周りに人がいるとちょっと恥ずかしいが、もはや照れる歳でもないのでやってみるか。

 最後に書いてあるのは、それこそ地球科学が専門だけあって、災害などがあったときにデジタルだよりの勉強法は電気がないところでは役に立たないと言うこと。そうなったら、英語学習どころじゃないとは思いつつ、そりゃそうだと思った。