晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

「バッチリ身につく 英語の学び方」

 来年は、遅ればせながら英語をもう集中して勉強してみようと思っている。同時に、何をいまさらという気もしているのだが、今年が英語本の当たり年と言われ、刊行された本に直接的・間接的に刺激を受けているのが大きいと思う。仕事で英語で触れることも多いはずなのに、「じゃあ、(英語が)できるの?」と聞かれると、「できない人よりは」という程度のよくわからないレベルである。なんか、もうちょっと「形」にしておきたい気がしている。資格試験では表れにくいんだよね。こういうのって。

 倉林秀男さんの「バッチリ身につく 英語の学び方」を読んだ。いわば、中高生向けの英語学習のガイドブックである。倉林さんは、「ヘミングウェイで学ぶ英文法」の著者の一人で、最近は、「英文解釈のテオリア」なる本も出している。英語本の当たり年というのは、この「テオリア」も含まれていると解釈している。

 杏林大学国語学部の教授だが、中学か高校で教鞭をとった経験もあるせいで、すごくアプローチがやさしい。でも、結構注文は厳しい。母語だってきっちり話すのは難しいのに、外国語だったらなおさらじゃん、という調子である。でも、語彙を増やしたい人向けや文法書など参考になる書籍を複数挙げてくれていて、参考になる。勉強法を示してくれる場合もある。

 前半は、英語学習のためのガイドブックだが、後半は、「ヘミングウェイで学ぶ英文法」よろしく、英語原文のテキストを使った文法に基づいた解釈部分となっている。倉林さんが選んだテキストは、俳優のエマ・ワトソンさんのスピーチ。ジェンダーに関するものだ。前半はガイドブックなのでスラスラ読めたが、ここからは時間がかかる。

 「ヘミングウェイ」同様、丁寧な説明。じれったいくらいだが、このくらい詳しく書かないと、中高生にはつらいだろう。この説明でも、なおつらいかもしれない。しかしながら、5ページ超の長文がわかったという自信は相当なものと想像できる。自分も、丁寧に読み込むという作業をしてこなかったという反省もある。気合を入れてもらった一冊となった。