晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心にお出かけもあり。銭湯通いにはまっています

「HAMARU」と「STORY STORY YOKOHAMA」

 8月と10月に、桜木町駅近くにブックカフェがオープンした。もはや書店のみじゃ勝負にならないのだなという落胆もあるが、カフェ併設であろうが本を置いている場所が出来たのは歓迎している。当初から決まっていたとはいえ、紀伊國屋書店が、駅前のコレットマーレから撤退したのは寂しかった。コロナ禍の中、予定された最終日まで営業したのだろうか。微妙な時期に閉店となってしまった。

 まず8月に横浜市役所の新庁舎2階にオープンしたのが、丸善が経営する「ブック&カフェ HAMARU」。そして、10月にコレットマーレ5階にあった紀伊國屋書店に代わって開店と相成ったのが「STORY STORY YOKOHAMA」。こちらは、地元の雄というべき書店の有隣堂による。丸善の方も、1869年に横浜で創業をアピールし「地元感」を出している。本稿はこの二つのブックカフェの優劣を比較するものではない。どちらの存在も歓迎で、その特徴として感じたことを書く。

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新市庁舎2階にあるHAMARU。購入前の本は2冊までカフェエリアに持ち込める

 まずはオープンが先の「HAMARU」。こちらの方が小規模で、当然売り場面積も狭い。いわゆる町の書店と中堅の間くらいで、文庫や新書、雑誌が見やすいところにある。桜木町駅から少し歩くこともあってか、カフェが満員になっているのは見たことがない。ソファーの席がいくつかあって、ここが空いていると「ラッキー」という気持ちになる。カウンター席には電源がある。市庁舎全般にワークスペースっぽい場所があり、その延長線上にある雰囲気。結果から言うと、こちらの方が利用しやすい気がする。なんというか「STORY STORY YOKOHAMA」がスターバックスだとすると、こちらはドトールみたいな感じ。

 本の揃えは物足りない気がするが、新刊や話題の本は抑えている。カフェや音楽、横浜などをテーマにした棚があり、見やすい。奥には文具も置いていて、こちらを見るのも楽しい。難を言うなら、Wifiが繋がりづらい(設定の問題か。お店の人は気づいているのかな)。

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「STORY STORY YOKOHAMA」。コレットマーレの5階に入ったが、紀伊國屋書店の跡地ではない。自然光を取り入れて、以前より明るくなった

 さて、10月に開店した「STORY STORY YOKOHAMA」。有隣堂は東京の日比谷や秋葉原でブックカフェをオープンしていてノウハウがある。しかし個人的に、日比谷は書店としてのアイデンティティーを失ってしまったと思っているので、有隣堂のブックカフェオープンには危惧があった。

 結論から言えば、危惧は払拭された。新刊を狙っていくと探しづらさはあるが、それぞれの棚を見るのが、楽しい。今は、ブルーノ・ムナーリなどの美術本などを展開していて、購入欲を抑えるのに苦労した(クレジットカードの存在は時に悩ましい)。まだ、5回くらいしか行っていないので、棚が新鮮に見える。結構、尖がった本も置いている。規模を考えると、面白いものを置くようにしているようだ。自分はあまり見ないが雑貨も多い。本がらみの雑貨をもう少し増やしてくれるとありがたい。

 カフェへの持ち込みは3冊まで。席は店舗内にやや散っていて、座る席を変えていけばそれなりに気晴らしになれるかも。商業施設内だし、スペースには限りがあるのは重々承知だが、自社(関連会社かも)で出している「有隣新書」は少し置いてもらいたい気がする(探せなかっただけかもしれないが)。

 隣接するHIS内に、旅関連の本が「浸食」しているのは面白い試みだと思った。

 これまで読書のお供はアルコールだったが、ブックカフェが身近になったのでコーヒーなどに切り替えていこうかと思っている。ちなみにこの2つのブックカフェの周辺には、スターバックスが4軒もある。個人的には、ドトールベローチェあたりがもう少しあるとありがたいのだけれど。