晴走雨読 横鎌日記

気ままな読書と無理しないランニングについて綴ります。横浜と鎌倉を中心に映画やお出かけもあり。ここのところ、行動範囲が限られています

2020-01-01から1年間の記事一覧

「本の中の世界」

コロナ禍の「おかげ」って言葉は使いたくないが、在宅勤務で全般的に本に接する時間が増えたようだ。ついでに腰の故障で、走る時間も減った。2年間以上続けてきた月100キロ走は8月で途絶え、9月はリハビリで週1だけ無理のない距離を走っている(もともと…

「はりぼて」

富山のテレビ局が追った、連鎖的な市議の辞職劇。以前にみた、東海テレビ制作の「さよならテレビ」よりずっと面白かった。いやいや東海テレビの作りに劣るところがあったとは思わない。しかしながら、このドキュメンタリー映画「はりぼて」が取り上げた対象…

「星の子」

女優の芦田愛菜さんが、この小説が原作となる映画の主演を演じるという。その映画の完成イベントを扱った番組では、映画そのものの内容よりも、芦田さんのイベントでの発言に焦点を当てていた。親目線で見ると「いい育ち方」をしている印象だ。勝手ながら、…

「Number(ナンバー)」1010号 将棋特集

新聞を読んだら、久しぶりに雑誌を求めて書店をいくつか回る羽目になった。文藝春秋のナンバーが、初めて将棋特集を出して、入手困難になっているとのことだった。新聞なら毎日読んでいるし、広告にも気付いているはずだが、読み飛ばしてしまったらしい。「…

「ヨコハマメリー」

有隣堂の伊勢佐木町本店に行ったら、中村高寛「ヨコハマメリー 白塗りの老娼はどこへいったのか」が、1、2階を合わせてワゴンに100冊くらい積んであった。1階のレジ付近や文庫・新書コーナーがある2階には、よく横浜関連本が並べてあるが、えらい気合の…

「明日 一九四五年八月八日・長崎」

「あした」と読む。普段はタイトルに副題は入れないのだが、むしろ副題に意味があるで省くわけにはいかない。先日、娘さんの井上荒野さんの小説を読んだので、有形無形の影響を与えたであろう父親の井上光晴さんの小説を読もうと探ってみた。積読中の「他国…

「日本の英語教育」

今年度から、小学校に英語が正式に導入された。これまでも「外国語活動」が導入されていたが、科目の一つとなったということだ。対象は、小学校5、6年生。英語に触れる「外国語活動」は小3、4が対象と前倒しされている。科目となるということは、評価さ…

「人生最後のご馳走」

ホスピスとは終末期のケアを行うところ。ここにお世話になるレベルだと、症状によっては食べられるものが限られてくるし、それこそ体が食事を受け付けないことだってあろうかと思う。大阪の淀川キリスト教病院の緩和治療内科・ホスピスでは、毎週土曜は患者…

「ベーコン」

井上荒野(あれの)さん。読んでもいないのに、避けていた作家である。たぶん井上光晴さんの娘さんだというのが理由だと思う。といいつつ、光晴作品だってきちんと読んでいるわけではない。原一男監督「全身小説家」の衝撃(もはや内容は忘却の彼方だが、揺…

「「感染症パニック」を防げ!」

まず断っておくことがある。この本は2014年に刊行された本なので、直接的に新型コロナウイルスについて述べた本ではない。ただし、副題に「リスク・コミュニケーション入門」とあるとおり、現状にも有効な情報があると思う。購入したのは、それこそ「ダ…

「雨の日はソファで散歩」

読んでから少しばかり経って書いている。大雨の被害があまりにひどい反面、タイトルがあまりにお気楽なので、逆に書きづらくなってしまっていた。報道がコロナと水害から、コロナと猛暑に切り替わってきたが、水害の傷跡は深く、日常を取り戻すには相当な時…

「恋する伊勢物語」

ランドマークプラザの5階から2階に移ったくまざわ書店。大幅な規模縮小は残念だが、それでも残っているだけありがたい。久々にみなとみらい方面に行って、くまざわ書店の棚で目にしてしまった、俵万智「恋する伊勢物語」。なんとなく購入してしまった。 た…

「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」

小旅行に出る直前に部屋で見かけて、そのまま手にしながら電車へ。移動中に一気読みした。米原万里「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」。大宅賞も受賞しているし、米原さんの作品の中でも有名な一冊だが、自分にはラーメンのチャーシューを残して食べる習性が…

湘南国際マラソン2月開催へ 世界初の試みも

それとなく湘南国際マラソンのサイトにアクセスしたら、驚きの発表が。発表日も昨日(8月4日)なので、これぞ虫の知らせというものなのかもしれない。第15回湘南国際マラソンは、通常の12月から日程を移して、翌2月28日開催するそうだ。もちろん、…

マスク着用してのランニング

練習不足と加齢のハイブリッドな理由による心肺機能の衰えがあるのだろうが、暑くなってからはマスク着用したランニングは止めている。4月に京大の山中教授が「走る時もマスクを」と発信した時は、アマゾンでスポーツマスクなるものを買って走っていたが、…

「キップをなくして」

「池澤夏樹さんって、こんな小説も書くのだな」というのが、読んでいて思った印象だ。手に取ったものは夏休みのキャンペーン中なのかどうかは知らないが、カバーの上にカバーをかけたもの。Amazon商品紹介で出てくる書影は、こちらの方が池澤作品のイメージ…

「遙拝隊長・本日休診」

ふと読みたくなった井伏鱒二。最近は、河合祥一郎さんやら福岡伸一さんも「ドリトル先生」の新しい翻訳を出しているので、井伏訳は淘汰されていくのかもなあ。なんかほんわかした雰囲気の中話が進むけど、よくよく考えてみると結構シリアスなテーマだったり…

「野球帽大図鑑」

プロ野球。昔ほどTV放映はやっていないし、試合経過ももはや気にならなくなってきた。しかしながらユニフォームというのは結構気になるのである。これはサッカーも同様で、昔のように買うことはなくなったが、変遷というのは気にしている。野球帽もそうだ。…

「山本直純と小澤征爾」山本編

クラシック音楽の世界最上位の一人として活躍する唯一の日本人である小澤征爾さんにとって、彼の背中をぐっと押し出す存在が山本直純さんだった。いわゆる中年以上は、テレビで彼の顔を認識しているだろう。「男はつらいよ」「8時だよ、全員集合」に、「3…

「山本直純と小澤征爾」小澤編

単純に山本直純さんについてもっと知りたいので購入した本。「オーケストラがやって来た」は本人が書いたものだし、70年代あたりまでの話なので、2002年に亡くなった人の評伝としては物足りない。この本はタイトルの通りに、小澤征爾さんとの絡みだが、世界…

「あなたと原爆 オーウェル評論集」

20世紀後半に毎日のように新聞に載っていた「冷戦」(Cold War)という言葉は、ジョージ・オーウェルが1945年に書いた、この本の表題作となっているエッセイが初出らしい。本の注釈でも、超大国間の戦闘なき対立状態という意味で使ったのは、彼が最初…

「翻訳の授業 東京大学最終講義」

仕事柄、翻訳めいたことをしなければいけないことがある。昔は人任せにできたが、いまは人的余裕も予算もないそうである。日→英は上手にできなくて当たり前なので居直れるが、英→日は、日本語のセンスの有無を問われているようで逆にちょっと恥ずかしい。そ…

「ミッドサマー」と「ヴェニスに死す」

嫌なものを見てしまったが、誰かとその内容を共有したくもある。そんな気にさせられたのが、アリ・アスター監督の「ミッドサマー」である。「祝祭スリラー」「白夜スリラー」とか「青空スリラー」などと形容されている。「スリラー」とのギャップを考えると…

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」

ブレイディみかこさんの本が売れている。新刊の「ワイルドサイドをほっつき歩け ハマースミスのおっさんたち」の出だしはどうかわからないが、この「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」は50万部を突破しているという。だいたいご主張はわかると…

Garmin Sports を使った練習

横浜マラソンは中止が決定し、湘南国際マラソンはランナーの応募を延期して、日程の変更を選択肢に含めながら開催を模索している状態。もしかしたら規模を縮小して開催する可能性もある。開催が冬となると、またコロナウイルスが猛威を振るう場合だってあり…

「詩は友人を数える方法」

なんか岩波ジュニア新書にある本のような題だが、講談社文芸文庫から出た、しっかり大人の値段の本だ。もちろん安いことに越したことはないが、読んだ後の満足度は高い。一言でいうと、「現代アメリカ版 奥の細道」か。読んでいて、これは芭蕉だなと思ったが…

「空港にて」

村上龍さんの小説を読んだ。たぶん「半島を出よ」以来。というか、他に書籍で読んだ記憶がない。いまさら「ダブル村上」のもう一方と比べるような真似はしたくないが、あちらさんのは、長編は身構えてしまって手が伸びないが、短編やエッセイなどはよく読ん…

「アメリカ語を愛した男たち」続

昔、米国出身の方の焼酎セミナーに参加して、酒のテイスティングで、オレンジ、カシューナッツ、バニラなど、焼酎や泡盛になじまない言葉で例えていたのに驚いた時があった。言われてみると、そんな感じがしてくるのが、我ながら流されやすさに情けない気も…

「アメリカ語を愛した男たち」

読むのに時間がかかってしまった。英語がらみの本なので、英文読むのに手間取ってしまった。中古本で300円で手に入れて、ここまで楽しませていただけるのはありがたい。 翻訳家であり、「探偵物語」(松田優作が工藤俊作を演じた方。赤川次郎原作じゃなくて…

「オーケストラがやって来た」

クリスチャン・メルラン「オーケストラ 知りたかったことのすべて」が読みたいと思っているが、みすず書房の書籍は高額である。相応のボリュームがあるとはいえ、6000円。消費税込みだと6600円だ。緊急事態宣言が解除され、いまでこそ図書館で借りるという選…